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めし帳

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2010年 02月 18日

江戸時代の味 叩き納豆入り味噌汁

江戸の暮らしを記した本や 池波正太郎の小説などを読んでいると
時折美味しそうな料理が出てくる その大半は現在の日本にもそのままの
形で残っているか (鰻蒲焼・天ぷら・寿司など)原型を保ちつつ
アレンジの加わった料理ばかりだが 中には現代の日本ではもうメジャーメニュー
では無くなってしまっている料理なども たまに出てきたりして興味深い

砂糖を加えた水に白玉を浮かべた“冷や水”

焼いた鴨を醤油で味付けし 生卵と合わせた“温飯”

鶴の足の筋を添えて椀に盛られた“鶴肉の吸い物”

などは ちょっと現在では頻繁に見かける事が無いモノにあたるカナ

それから 江戸時代の場合はモノを売る形態も今と違う
今でも残っているとはいえ 数は圧倒的に少なくなってしまっている
棒手売(振り)が当時は主流 棒手売とは 町中を天秤棒担いで
売り歩いている人らの事 売るモノは食べ物から酒・油・団扇・風鈴
・玩具・飴細工・金魚・煙管掃除請負・刃物砥ぎ・・・と実に様々で
人々の生活を支える大事な役割を担っていた

朝になると長屋には 菜っ葉を炊いたもの 油揚げを煮浸したものなどの
惣菜を売りに来る棒手売さんが 毎日来てくれるそうな
その惣菜類の中で人気が高かったものが 叩き納豆というモノらしい
どんなモノかと言うと・・・
江戸時代の味 叩き納豆入り味噌汁_c0095925_330247.jpg

こんなモノ 納豆・豆腐・薬味などを混ぜ込み 包丁で叩いて作る
写真では納豆の粒がそのままに見えるけど 一応まな板の上で
叩いているので 納豆も少し細かくなっている状態
当時の叩き納豆がコレと全く同じかは定かではないが
本などで見かける限り 多分こんな感じなのだろう
こいつを棒手売さんが売りに来るので買い・・・
江戸時代の味 叩き納豆入り味噌汁_c0095925_335315.jpg

カマドで熱い味噌汁(だし入り具無し)を煮立てて・・・
江戸時代の味 叩き納豆入り味噌汁_c0095925_3361045.jpg

叩き納豆をその汁の中に加え 納豆汁にする というのが食べ方らしい

豆腐も薬味も納豆もすでに入っているので 長屋に一人暮らしの男衆は
これを汁に溶いたらすぐにメシを掻きこめるだろうし きっと便利だったろう
味の方だってなかなか美味しかった♪ 味付けは少量タレを加えてみたが
加えなくても 汁の味噌とダシの塩気だけで充分だと思う
まろやかでコクがあり これだけでゴハンがけっこう進んでしまう

今でも納豆汁という料理は残っているが 叩き納豆はその納豆汁の原点
ともいえるかも 江戸時代 こんなものを食べていたんだなあ・・・と
感慨深いものがあって 面白い再現だった(簡単だし)
江戸時代の味 叩き納豆入り味噌汁_c0095925_343351.jpg


by rim27 | 2010-02-18 01:10 | マンガ・TV等再現料理


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